英国ロイヤル・オペラ2019年日本公演

名匠が二大名作で聴かせる“壮麗で熱い音楽美”

左より:アントニオ・パッパーノ ©Sim Canetty-Clarke/グレゴリー・クンデ/
ヴィットリオ・グリゴーロ ©Jason Bell/イルデブランド・ダルカンジェロ

 英国ロイヤル・オペラ(ROH)と音楽監督アントニオ・パッパーノは、オペラ界に一大進歩をもたらした。彼らは「大スターを起用し、名作に新たな光を当てる」ことで、多くの人の眼を集めることに成功。客席のエレガントな装いもこの歌劇場の勢いを裏打ちするものだろう。貴族的なカップルから自由な学生層まで、みな、「ハレの日の楽しみ」を堪能しようという空気を漲らせているのである。

 さて、そのROHが9月に4年ぶりの来日を果たすことに。指揮はもちろんパッパーノ。日本公演をキャリアの集大成とすべく、彼は「壮麗で熱い音楽美」に満ちた二大名作を用意した──ヴェルディの《オテロ》とグノーの《ファウスト》である。
 《オテロ》といえばイタリア・オペラの究極の悲劇。嫉妬深い部下に騙されて、妻の愛を疑った武将が破滅するまでを猛烈な勢いで描いている。今回の主演は、テノール界の奇跡たるグレゴリー・クンデ。若い頃は超高音をひときわ鮮烈に響かせた彼も、今では「最も逞しい声」を要するオテロ役の第一人者である。圧倒的な迫力に期待したい。

 そして《ファウスト》は、フランスもの最大のヒット作。若返った博士が乙女と愛し合うが、最後は神に裁かれるという大歌劇である。こちらは情熱と若々しさが光る人気テノール、ヴィットリオ・グリゴーロと、人気バリトンのイルデブランド・ダルカンジェロなど超豪華な顔合わせ。華やかな面差しと熱い声の“一大競演”を見逃してはならない!
文:岸 純信(オぺラ研究家)
(ぶらあぼ2019年3月号より)

《オテロ》
2019.9/14(土)、9/16(月・祝) 神奈川県民ホール
9/21(土)、9/23(月・祝) 東京文化会館

《ファウスト》
2019.9/12(木)、9/15(日)、9/18(水) 東京文化会館
9/22(日) 神奈川県民ホール

セット券 2019.3/23(土)、単独券 2019.4/13(土)発売
問:NBSチケットセンター03-3791-8888 
https://www.nbs.or.jp/

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