第143回 スーパー・リクライニング・コンサート 鵜木絵里 ソプラノ・リサイタル

寛いでチャーミングな歌唱を味わう

©深谷義宣 aura.Y2
 まったく新たな音楽との付き合い方を確立した、と言っても良かろう。音楽ホールとしては初めて、リクライニングが可能なシートを設置したHakuju Hallが始めた「スーパー・リクライニング・コンサート」。ゆったり寛ぎながら、名演が楽しめて、「普段は気づかない音を発見できる」と好評のうちに回を重ねている。

 第143回には、オペラやコンサートの舞台で活躍する人気ソプラノの鵜木絵里が登場。《ジャンニ・スキッキ》から〈私のお父様〉や《ラ・ボエーム》より〈ムゼッタのワルツ〉など、彼女の“本領”とも言うべきプッチーニのオペラの名アリアからモーツァルト〈アレルヤ〉、さらに山田耕筰〈からたちの花〉など日本の歌曲まで、色とりどりの歌の花束を届けてくれる。

 卓越した美声と磨き抜かれた音楽性、そしてステージでのチャーミングな存在感こそ、彼女の持ち味。昨年は、同ホールで開かれた「中嶋朋子が誘う 音楽劇紀行」では、オペレッタの名唱で聴衆を虜にした。今回も、極上の歌声と、癒しの時間が待っている。ピアノは松本康子。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年2月号より)

2019.3/27(水)15:00 19:30 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
https://www.hakujuhall.jp/