【CD】フェルメール〜絵の中の音楽/Vox Poetica & ソフィオ・アルモニコ

 今に伝わっているもので全30点余と寡作ながら、光と影を巧みに掬い取る繊細な画風で高い人気を得る、17世紀オランダの鬼才ヨハネス・フェルメール。音楽をモティーフとする作品が10点と、大きな割合を占める。そこで奏でられていたのは、いかなる旋律か。リュートとソプラノのデュオ「Vox Poetica」と、前田りり子らフルート・コンソート「ソフィオ・アルモニコ」が蘇らせる、当時流行していた歌や、庶民に愛された舞曲。瑞々しい調べの合間に、人々の営みやさざめきまでが聞こえるよう。また、同盤は開催中の『フェルメール展』ともタイアップ。目と耳で、傑作を味わってみるのも、一興だろう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年1月号より)

【information】
CD『フェルメール〜絵の中の音楽
/Vox Poetica & ソフィオ・アルモニコ』

ニコラ・ヴァレ:プレリュード/アドリアン・ヴァレリウス:我が魂よ嘆け!/スザート:舞曲集「ダンスリー」より 他

Vox Poetica【瀧井レオナルドlt 佐藤裕希恵S】、ソフィオ・アルモニコ【前田りり子 菅きよみ 国枝俊太郎 相川郁子 新井道代(以上ルネサンスfl 他) 佐藤亜紀子(ルネサンスlt 他) 近藤郁夫pc】 他

キングレコード
KICC-1465 ¥2315+税