福田進一プロデュースによるマイスター・ミュージックの「ギター・ディスカバリー・シリーズ」第4弾は第1弾の小暮浩史が再登場。標題曲であるピアソラの「オブリビオン」、そして「リベルタンゴ」をディアンスが、R.ド・ヴィゼーの組曲やスカルラッティのソナタを小暮が編曲したバージョンが収録されていたり、とその曲目にはありきたりでない工夫が施され挑戦的であるが、何よりもその演奏が秀逸だ。どの曲も歌い回しにおける趣味の良いセンスに貫かれ、さらには鋭敏な音色に対する感性も聴き逃せない(「リベルタンゴ」「二つのリディア調の歌」)。実にセンシティヴなギター。
文:藤原 聡
(ぶらあぼ2018年12月号より)
【information】
CD『オブリビオン/小暮浩史』
ピアソラ(ディアンス編):リベルタンゴ、オブリビオン/アサド:南米風変奏曲/ド・ヴィゼー(小暮編):組曲ト長調/D.スカルラッティ:ソナタ K.208(小暮編), K.209(バルエコ編)/レゴンディ:アリアと変奏第1番/ダンジェロ:二つのリディア調の歌
小暮浩史(ギター)
マイスター・ミュージック
MM-4043 ¥3000+税