現代ピアノで探求するバッハの深き世界
粒立ちの良いタッチと流麗なフレージング、スコアの隅々まで見渡せるような透明感ある音楽づくりで、「現代最高のバッハ弾き」と称されるカナダ出身の名ピアニスト、アンジェラ・ヒューイット。4年にわたる全12回のステージで、鍵盤ソロ作品を全て完奏する「バッハ・オデッセイ8」を来年3月、東京で開く。
1985年にトロント国際バッハ・コンクールを制し、一躍注目を浴びたヒューイット。様式感を踏まえる一方、現代の楽器ならではの特性を生かした演奏は、古楽全盛の現代にあって、「モダン・ピアノによる理想的なバッハ」と評される。「オデッセイ」は、2016年にスタート。ニューヨークやロンドン、東京など世界の主要都市を巡ってきた。
本シリーズ5度目の来日となるステージは、20代の若きバッハの手になると考えられる、瑞々しい覇気と豊かな創意に満ちた「トッカータ」全7曲(BWV910〜916)を披露。さらに、高い技巧と自在な発想が散りばめられた傑作「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調 BWV903」を弾く。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2018年12月号より)
2019.3/13(水)19:00 紀尾井ホール
問:日本アーティストチケットセンター03-5305-4545
http://www.nipponartists.jp/