ファンタスティック・ガラコンサート 2018

フランス感満載のオペラとバレエで、粋に年忘れ


 年末恒例、神奈川県民ホールで開催される「ファンタスティック・ガラコンサート」。今年で13回目を迎え、日本を代表する音楽家とバレエダンサーが共演する、華やかで贅沢なコンサートである。今年のテーマは、フランス。「日仏交流160周年」を記念して、フランスを舞台にした作品や同国の作曲家の作品を中心にプログラムが組まれた。
 司会を務めるのは、バリトンの宮本益光。おしゃべりも楽しい名司会ぶりで会場は和むが、やはり注目はその美声。今回は、グノー《ファウスト》より〈故郷を離れる前に〉と、パリで上演され、人気を集めたワーグナー《タンホイザー》より〈夕星の歌〉で男心を切々と歌う。ソプラノの嘉目真木子は初登場。今年は二期会公演《魔弾の射手》アガーテ役を熱演し、来年2月には二期会とフランス国立ラン歌劇場との共同制作《金閣寺》に宮本とともに出演が予定されるなど、活躍の場を大きく広げている。彼女は、マスカーニ「アヴェ・マリア」と、レハールの喜歌劇《メリー・ウィドウ》より〈ヴィリアの歌〉で華を添える。そしてテノールの澤原行正は、プッチーニ《ラ・ボエーム》より〈冷たき手を〉、ビゼー《カルメン》より〈花の歌〉で、ヒロインへの秘めた恋心を打ち明ける。
 フレッシュな若手も登場する。昨年、高校2年生で、第86回日本音楽コンクール第1位を獲得したピアノの吉見友貴が、プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」第1楽章を披露する。ピアノにひたむきに取り組む、若きピアニストの演奏に注目したい。
 バレエでは東京バレエ団プリンシパルの上野水香が今回もステージに上がる。「ガラ公演をやらなければ年は越せません」と語る上野は、2008年から毎年出演。同団プリンシパルの柄本弾ととともにチャイコフスキー『白鳥の湖』の「アダージョ」などを。ダンサーとしていま、最高の輝きを放つ二人の舞踊は見逃せない。
 そして、06年の初回から指揮を担当する松尾葉子。オーケストラ曲は、ムソルグスキー(ラヴェル編曲)「展覧会の絵」より「プロムナード」と「キエフの大門」、ドビュッシー「小組曲」より第4曲「バレエ」、マスネ「タイスの瞑想曲」など、フランス近現代の作品が中心となる。神奈川フィルハーモニー管弦楽団とも息がぴったりで、個性派コンサートマスター、石田泰尚のパフォーマンスにも注目だ。
 年末の午後のひととき、リニューアルオープンした神奈川県民ホールで一流のアーティストたちとともに過ごす贅沢な時間。どうぞお楽しみに!
文:柴辻純子
(ぶらあぼ2018年11月号より)

2018.12/29(土)15:00 神奈川県民ホール
問:チケットかながわ0570-015-415 
http://www.kanagawa-kenminhall.com/

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