イェルク・デームス 90歳記念ピアノリサイタル

自身の音楽人生を投影したプログラム


 “音楽の街ウィーン”が育んだ、誇り高きピアニズム。黄金時代の輝きと薫りをそのままに継承し続けている巨匠イェルク・デームスが、90歳を迎える。故国に次いで、愛情を注いできた日本で開く、記念リサイタル。王道の独墺からフランス・ベルギー作品まで、自身の音楽人生を投影したプログラムに渾身で挑む。
 弱冠11歳でウィーン音楽アカデミーに入学、14歳でデビュー、今や“伝説的”とも言うべき巨匠たちの薫陶を受け、ブゾーニ国際コンクールでの優勝をきっかけに、世界的な演奏活動を展開。1961年の初来日以来、何度も来演し、バドゥラ=スコダ、グルダと共に「ウィーンの三羽烏」として高い人気を誇っていた。
 今回は、バッハ「半音階的幻想曲とフーガ ニ短調」で幕開けを告げ、モーツァルト「ロンド イ短調」、ベートーヴェン「ソナタ第32番」と、前半は独墺作品を披露。そして、没後100年を迎えたドビュッシーの「映像 第1集・第2集」を弾き、さらにフランク「前奏曲、コラールとフーガ」を、冒頭のバッハと共鳴させる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年11月号より)

2018.11/28(水)19:00 紀尾井ホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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