今年4月の『情熱大陸』出演でも注目を集めた藝大邦楽科「現代箏曲」専攻・在学中の新星、待望の2ndアルバム。厳格なる定番箏曲「六段」とシューベルトの歌曲「セレナーデ」をヴァイオリンとのデュオで統合させた1曲目のタイトル曲「邂逅」からして、10代から20代へと移ろう多感な時期に瑞々しく成長を遂げた姿を見せつけてくれる一枚。若手箏奏者から絶大な支持を集める沢井比河流「土声」(こちらもヴァイオリンと)も素晴らしいが、後輩たちによる箏群との室内協奏曲風の「ファンタジア」(沢井忠夫)や自作曲「鏡」も必聴。締めを飾る久石譲ナンバーも見事。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2018年10月号より)
【information】
CD『玲央 Encounters:邂逅/LEO』
大塚茜:邂逅―六段とSerenadeによる―/吉岡孝悦:箏のためのアラベスク/清水脩:三つの詩曲/沢井比河流:土声(どせい)/沢井忠夫:ファンタジア/今野玲央:鏡/久石譲(冷水乃栄流編):One Summer’s Day(あの夏へ)
LEO(箏/十七絃箏)
髙木凜々子(ヴァイオリン) 他
日本コロムビア
COCJ-40413 ¥2222+税