東京オペラシティ B→C 守岡未央(トランペット)

日本音コン覇者による輝かしく歌声あふれるサウンド

C)Mitsuhiro KOJIMA
 将来を嘱望される音楽家が、趣向を凝らしたプログラミングを聴かせる『B→C』。9月に出演するのは2015年に日本音楽コンクールを制した守岡未央だ。コンクールでも評価の高かったピッコロ・トランペットをメインに駆使して、前半はJ.S.バッハやテレマンなど、バロック作品を演奏。ピアノではなく、チェンバロとチェロを共演者に選んでいることからも本気度が窺えるだろう。対して後半は近現代の叙情的な楽曲をピックアップ。特にお薦めしたいのが最後に据えられたデイヴィッド・スノウの作品で、コープランドやライヒ、久石譲といった多様な作曲家たちに連なる音楽は実に感動的だ。
 今回、チェンバロとピアノを弾き分け、この公演のための作品も書き下ろすキーマン松下倫士(ともひと)。彼は東京藝大の作曲科在籍中からオルガンを同楽器専科と同等のレベルで演奏していたほどの名手で、当然バロックの音楽にも精通。新作も親しみやすい作品に仕上がるはずだ。通奏低音を支えるチェロの金子鈴太郎も中堅世代を代表する室内楽の名手であるため、布陣は万全。歌心にあふれたトランペットを堪能できるだろう。
文:小室敬幸
(ぶらあぼ2018年9月号より)

2018.9/18(火)19:00
東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター
  03-5353-9999
http://www.operacity.jp/