世界で活躍する歌手3人がオペラの名曲を披露
音楽シーンが充実の9月は、東京以外でも魅力的な公演が目白押し。新潟県民会館と神奈川県民ホールで開催される「HIBIKU」は世界で活躍する3人の歌手が名曲を紡ぐコンサート。
ソロではまず今年、東京芸術劇場のビゼー《真珠採り》(2月)や軽井沢大賀ホール《春の音楽祭》(4月)の出演も記憶に新しいテノール、ジョン・健・ヌッツォが十八番のプッチーニ〈誰も寝てはならぬ〉を披露。日本人には長野五輪での「第九」ソロ(小澤征爾・指揮)が未だに忘れられないロシア生まれのバス、デニス・セドフによる〈中傷はそよ風のようなもの〉(ロッシーニ《セビリアの理髪師》で音楽教師バジリオがバルトロに吹聴するユーモラスなアリア)も聴きどころだが、特に新潟公演では同県出身のコロラトゥーラ・ソプラノ、今井あいによる〈サマータイム〉(ガーシュウィン《ポーギーとベス》の名高い子守唄)が大いに盛り上がりそうだ。他にもナポリ民謡や日本歌曲まで盛り込んだ充実のプログラム。加えてモーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》から、主人公が村娘のツェルリーナを誘惑する場面の二重唱〈お手をどうぞ〉やグノーのオペラ《ファウスト》フィナーレの三重唱など、ステージで繰り広げられる魅惑のアンサンブルも聴き逃せない。
当日は多くの声楽家と歌曲リサイタルで共演を重ねている栄長敬子がピアノ伴奏を担当。オペラ・コンサートが初めてという方も気軽に足を運びたくなるような内容になるはずだ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2018年9月号より)
2018.9/8(土)13:30 新潟県民会館
問:新潟日報社 ふれあい事業部025-385-7470
2018.9/19(水)19:00 神奈川県民ホール(小)
問:HIBIKU実行委員会090-2238-2020