古典四重奏団 ムズカシイはおもしろい!! バルトークの時代 2018〈その3〉

バルトークと近現代作品を味わう愉悦

C)F.Fujimoto
 古典四重奏団は、研ぎ澄まされた解釈と暗譜による精密な演奏を特長とするほか、さかんにレクチャー付き公演を行い、聴く人に音楽の面白さを伝え、知的好奇心を刺激し続けている。「ムズカシイはおもしろい!!」は彼らが長く継続しているシリーズで、いま取り組んでいるテーマは「バルトークの時代」。バルトークの傑作を1曲ずつ取り上げ、彼の音楽と関連する、もしくは対照的な近現代作曲家の作品を組み合わせることで、楽しみながらモダニズムや現代性についての視野も広げられる。
 9月の〈その3〉は、マルタンの擬古典的な透徹した作風の四重奏曲と、ヤナーチェクの鮮烈かつユニークを極める名作の第2番「内緒の手紙」。そして約15分と短時間ながら多彩な技巧と表現が凝縮された、大変な難曲にして名品であるバルトークの第3番と、コンセプトにふさわしい作品が並ぶ。古典四重奏団の緊張感ある実演と、チェロの田崎瑞博によるわかりやすいレクチャーで、耳と頭が刺激される有意義な時間になるはず。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2018年9月号より)

その3の昼 2018.9/24(月・祝)14:30 
その3の夜 2018.9/28(金)19:00
近江楽堂(東京オペラシティ3F)
問:ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977 
http://www.bflat-mp.com/