【CD】インテルメッツォ ―ピアノ名曲アルバム― /小林有沙

 「手に取った方にホッとしていただきたい」という想いが込められた本盤には、ロマン派の作曲家を中心に、メロディの美しい、聴き手の心に寄り添うような小品が集められている。“小品”と一口にいっても、歌心に溢れた演奏、色彩に富んだ音色、自然な音楽運びを行う構築性、それらを支える確かな技術がなければその魅力は全く伝わらない。その点、小林はそれらをすべて持ち合わせたピアニストといえる。柔らかさに包まれ、和声と共に次々と表情を変える音色が魅力的で、スランプだった彼女を支えたというブラームスの間奏曲では特に彼女の持ち味が存分に味わえるはずだ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2018年9月号より)

【information】
CD『インテルメッツォ ―ピアノ名曲アルバム―/小林有沙』

バルバストル:ロマンス/リスト:ため息、コンソレーション第3番/ドビュッシー:月の光、亜麻色の髪の乙女、喜びの島/ブラームス:ワルツ第15番、間奏曲op.118-2/ショパン:ワルツ第7番、幻想即興曲、前奏曲「雨だれ」、別れの曲

小林有沙(ピアノ)

オクタヴィア・レコード
OVCT-00152 ¥3000+税