【CD】ラルゴ〜サクソフォンとオルガンによるバロック音楽作品集〜/長瀬正典&椎名雄一郎

 19世紀に生まれたサクソフォンと、数千年に及ぶ長い歴史を持つオルガン。関係性は薄く思える2つの楽器を共に奏すると、これほどの滋味を生むとは! 長瀬正典は東京藝大や静岡大大学院に学び、国際的に活躍するサクソフォニスト。端正なバッハ演奏で注目を浴びるオルガニストの椎名雄一郎とは6年前から共演、バッハのアルバムも発表している。今回は、ヘンデルを中心に、バロックの名曲に対峙。金管の輝かしさと木管の柔らかさを併せ持つソプラノ、まるで人声のように歌うアルトと2種の楽器を持ち替え、普段よりも野心的なストップを選ぶ椎名と共に、新しい響きの世界への扉を開け放ってゆく。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年9月号より)

【information】
CD『ラルゴ〜サクソフォンとオルガンによるバロック音楽作品集〜/長瀬正典&椎名雄一郎』

アルビノーニ:協奏曲 ニ短調op.9-2/コレッリ:ソナタ ヘ長調op.5-10/ヘンデル:ラルゴ(オンブラ・マイ・フ)、水上の音楽 第1組曲・第2組曲(長瀬&椎名編)

長瀬正典(サクソフォン)
椎名雄一郎(オルガン)

コジマ録音
ALCD-9189 ¥2800+税