楽都・仙台にクラシック音楽が溢れる3日間!
仙台の街が音楽一色に染まる3日間。「せんくら」の愛称で親しまれている仙台クラシックフェスティバルが9月28日〜30日に開催される。今年で13回目を迎える「せんくら」に1回目から参加しているチェリスト、長谷川陽子にその魅力を聞いた。
「ありがたいことに“皆勤賞”です。本当に素晴らしい演奏家たちが集まる3日間ですので、自分が弾くだけでなく、皆さんの演奏を聴くことでも刺激を受けています。東京近郊ですと終演後でも家に帰れますが、仙台の場合は泊まりですから、演奏家同士で美味しい食事やお酒を楽しみながら音楽談義をしたりして、その中から新しい企画が生まれることもあります」
長谷川だけでなく、毎年のように参加しているギタリストの福田進一、ピアニストの三舩優子や横山幸雄らベテラン勢から、今もっとも注目を集める若手まで、出演アーティストは総勢80以上を数える。演奏家が多忙を極める秋に、これだけの顔ぶれが集まる「せんくら」の引力とは?
「やはり仙台という街の魅力が大きいと思います。中心部も緑豊かで広々としていて、4ヵ所にあるコンサート会場を移動するときも疲れないんですよね。ちょうどよい街のサイズ感というか。私は1年に1回、秋のはじめに仙台で“これからの1年はどんな年にしようか”と自身を見つめ直すのが恒例になっています。この13年の間には東日本大震災をはじめ、音楽祭にもいろいろなことがありました。その積み重ねの中で、演奏家やスタッフ、お客さまにとって、『せんくら』が心の拠り所のようになっているのではないでしょうか」
毎年首都圏から駆けつけるリピーターも多いという。「せんくら」ならではの楽しみ方は?
「1公演が45〜60分という長さは、心地よく集中できる長さですよね。たくさんのコンサートをはしごするお客さまもいらっしゃいます。クラシック初心者の方も気軽に楽しめる多彩な内容でありながら、コアなファンの方にもご満足いただけるような凝りに凝ったプログラムも組んでいますので、ぜひ、ご自分だけの“タイムテーブル”を組み立ててみてください」
長谷川が出演するのは、バッハ生誕333年を祝うオープニング・ガラ、ピアニストの加羽沢美濃とのリサイタル、「せんくら・フェスティバル・ソロイスツ」の3公演。
「オープニングの『生誕333年バッハ・ガラ』ではバッハの無伴奏チェロ組曲第1番、『フェスティバル・ソロイスツ』ではヴィヴァルディの合奏協奏曲(op.3-9)でソロを弾きます。加羽沢さんとは、きちんとした共演ははじめて。彼女は名曲を分かりやすく解説するのが上手なので、トークもお楽しみいただけると思います」
音楽・美食・自然と出会う3日間。あなたも旅してみては?
取材・文:原 典子
(ぶらあぼ2018年8月号より)
第13回 仙台クラシックフェスティバル せんくら2018
2018.9/28(金)〜9/30(日)
日立システムズホール仙台(青年文化センター)、エル・パーク仙台、太白区文化センター、仙台銀行ホール イズミティ21 他
問:せんくら事務局022-727-1872
http://sencla.com/