下野竜也プレゼンツ! 音楽の魅力発見プロジェクト 第5回 オーケストラ付レクチャー 《運命》徹底大解剖

マエストロによる“ベートーヴェン解体新書”

下野竜也
C)K.Miura

 このマエストロがすみだトリフォニーホールへ降臨すると、何かが起きる。そして音楽が、思ってもみなかった新しい一面を見せる。下野竜也と新日本フィルハーモニー交響楽団が毎年夏に開催するコンサート「音楽の魅力発見プロジェクト」は、客席をどう楽しませようかという心意気、そしてさまざまなアイディアに満ちているのだ。
 昨年はドヴォルザークの「新世界より」を肴に、通常の曲目解説には書いていないようなエピソードやオーケストレーションの秘密などを紹介。しかもその場でオーケストラが演奏してくれるというサービス満点の内容だった。かつて新日本フィルが出演していたテレビの人気番組『オーケストラがやって来た』を思い出した、という人もいたようである。
 そして今年、テーマとして選ばれたのはベートーヴェンの「運命」だ。この、誰もが知る名曲のスコアからどんな新しい視点やアプローチ、隠し技などが語られ、演奏されるのだろうか? コンサートではまずマエストロによる生演奏付きレクチャーを(といっても難しいものではなく、笑いとともに「へえ、なるほど」という発見があるという内容)。その上で通常のコンサートと同じく「運命」全曲が演奏される。しかし事前にレクチャーで知ったオーケストレーションのことなどが思い出され、なおさら「そういうことだったのか!」という納得感が強くなるのだ。
 ぜひ好奇心のアンテナを全開放にして、名作「運命」の再発見、いや新発見を。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2018年8月号より)

2018.8/12(日)16:00 すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212 
http://www.triphony.com/