アフタヌーン・コンサート・シリーズ 2018-19シーズン後期ラインアップ

昼下がりに名曲&名演を聴けるシアワセ


 近頃、人気を呼んでいるのが平日昼間の公演。家庭や仕事の状況によって、夜や週末よりも平日の昼のほうが自分の都合をつけやすいという方も少なくないだろう。東京オペラシティ コンサートホールで開催される「アフタヌーン・コンサート・シリーズ」もそんな平日昼をゆったりとくつろぐためのコンサートだ。開演は午後1時30分、終演は午後3時30分頃。ランチタイムの後にコンサートを聴いて、暗くなる前に帰宅する。この絶妙な時間設定が好評を博している。
 2018-19後期に開催されるのは以下の4公演。いずれも万人が楽しめる有名曲中心のプログラムとなっている。
 まず、11月に開かれるのは「千住真理子〜アマデウスに恋して」。千住がキハラ良尚指揮アンサンブル・アマデウス・トウキョウとともに、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲を演奏する。若き日のモーツァルトが書いた天衣無縫の音楽が鳴り響く。
 12月はドレスデン聖十字架教会合唱団によるクリスマス・コンサート。800年近い歴史を誇る同合唱団は、世界でもっとも古い少年合唱団のひとつとされる。かつてはバッハやモーツァルトに称賛され、メンバーからはペーター・シュライヤーやテオ・アダムといった名歌手たちが育っている。なじみ深いクリスマスの名曲を、清澄な歌声で聴かせてくれることだろう。
 1月は「ソプラノとオルガンの天上の響き 森麻季 & 鈴木優人」。世界を舞台に活躍する名ソプラノ森麻季と、近年ますます活躍の場を広げる才人、鈴木優人のデュオが実現する。バッハ・コレギウム・ジャパンの公演で共演することもある二人だが、こうしてデュオで聴けるのはまた格別の喜びだ。ヘンデルの有名なアリア〈涙の流れるままに〉や、バッハの前奏曲変ホ長調「聖アン」他が演奏される。
 3月は3人の優れた若手ピアニストたちが一堂に会する。小澤征爾やアシュケナージとも共演する実力者中野翔太、華々しい活躍を繰り広げるジャズピアニスト松永貴志、16年フランツ・リスト国際ピアノコンクールで第1位を獲得した阪田知樹。ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」を、なんとピアノ3台で演奏するという。いったいどんなゴージャスなサウンドが生まれるのか。
 なお、会場では「今日のおやつ」として、イタリア、トリノの老舗チョコレートブランド「カファレル」のスイーツが販売される。美しい音楽と上質のお菓子。この組合せは最強だ。
取材・文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2018年7月号より)

2018.11/5(月) 千住真理子(ヴァイオリン)〜アマデウスに恋して
2018.12/4(火) ドレスデン聖十字架教会合唱団 クリスマス・コンサート
2019.1/31(木) 森 麻季(ソプラノ) & 鈴木優人(オルガン)
2019.3/8(金) 中野翔太・松永貴志・阪田知樹 ピアノ・トリオ・スペクタクル
各日13:30 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 
http://www.japanarts.co.jp/