室内楽の魅力 モーツァルト バボラーク・アンサンブル ホルンの室内楽 Ⅱ

モーツァルトの新たな協奏曲が出現?

バボラーク・アンサンブル(2016年来日公演より)
C)大窪道治

 モーツァルトのホルン協奏曲に“第5番”と“第6番”があった!? 今秋、世界最高峰のホルン奏者バボラークが、両曲を披露する。これは「室内楽の魅力 モーツァルト バボラーク・アンサンブル ホルンの室内楽 Ⅱ」と題した第一生命ホールの企画。冒頭の2曲は、比較的有名な「ロンド K.371」をはじめとする、ホルン協奏曲の断片的な楽章等を集めてバボラークが新たに室内楽版として構成した、興味津々の“新作”だ。この発想は、協奏曲第1番が2曲の合体+ジュスマイヤーによる完成作品であることをベースにしたもの。ホルンとその協奏曲を知り尽くす名手が英知を注いだ、夢のある試みといえるだろう。
 バボラークは、驚くほどまろやかな音色と空前絶後の超絶技巧を有する、“何百年に一人”クラスの大奏者。その演奏は、身を任せているだけで陶酔の境地に誘われる。ベルリン・フィルの首席奏者を辞して以降の活動も充実顕著。母国チェコの敏腕奏者たちと15年以上続けている当アンサンブルでは、2016年の「ホルンの室内楽 Ⅰ」で、モーツァルトの協奏曲4曲と五重奏曲を一挙に披露し、完璧なソロのみならず、彼の柔らかな音色と繊細な弦の響きのミックスによって、管弦楽伴奏とはひと味違った精妙な音世界を創出。聴く者を感嘆させている。
 今回は、CDで評価の高いライヒャのホルン五重奏曲(六重奏版)と、後期ロマン派的な作風ゆえにマイナー化した20世紀イギリスの作曲家ボウエンのホルン五重奏曲も披露されるので楽しみは多彩。しからばここは、天上的なサウンドで“モーツァルトの新作”を体感するために、こぞって足を運ぼう!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2018年7月号より)

2018.10/20(土)14:00 第一生命ホール 
6/26(火)発売
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 
http://www.triton-arts.net/