ファゴット・トリオ・ザルツブルク

“縁の下の力持ち”が今回は主役に

C)taro ebihara

 未知なる響きへの扉が今、開かれる。ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の3人の奏者で結成された、「ファゴット・トリオ・ザルツブルク」。時に温かな愛情を込めて、時にユーモラスに、時に意外な機動力も発揮して。なかなか聴けないファゴットのみによるアンサンブルが、変幻自在で奥深い世界を紹介してくれる。
 共にイタリア出身のフィリップ・トゥッツァーとリッカルド・テルツォ、2人の首席奏者に、東京フィル首席奏者を経てモーツァルテウム管で活躍する宮崎出身の黒木綾子が加わったトリオ。今回は、都響の首席ファゴット奏者、岡本正之もゲスト出演する。
 普段は楽団の音色を支えている“縁の下の力持ち”が主役と化し、その魅力を存分に発揮するステージ。ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」やロッシーニ「セビリアの理髪師」からの6つのアリア、ヴィヴァルディの弦楽作品からオルガン用に編曲されたバッハ「協奏曲イ短調」、モーツァルト「ファゴットとチェロのためのソナタ」など、多彩な作品を披露する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年7月号より)

2018.7/3(火)19:00 JTアートホール アフィニス
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