小山実稚恵が来年より新ピアノシリーズを開催

会見から 
Photo:S.Ito/Tokyo MDE

 日本を代表するピアニストの小山実稚恵が、来年6月よりピアノシリーズ「ベートーヴェン、そして…」を開催することを、6月4日に都内で行われた記者会見にて発表した。小山は2006年から開始した全24回のリサイタルシリーズ「小山実稚恵の世界」を17年に完結。新ピアノシリーズは、19年より3年間かけて全6回の公演となる。
 開催にあたり、小山は「来年より『ベートーヴェン、そして…』を開催できることを本当に幸せに思っています。前回のシリーズは、自分の演奏活動にとって一言では言い尽くせない大きな経験であり、改めて音楽の素晴らしさを感じた12年間だった」と述べた。
 新シリーズのプログラムは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタop.101以降、後期のソナタ5曲を中心に取り上げる。ベートーヴェンの生誕250年となる20年開催の第4回では、山田和樹指揮横浜シンフォニエッタとの共演で、演奏される機会が稀であるピアノ協奏曲第0番を披露する。会見では、音楽学者である平野昭より、シリーズ各回での共通点やプログラム曲の解説なども行われた。
左より:平野昭、小山実稚恵
Photo:S.Ito/Tokyo MDE

 プログラムについて小山は「自分の中で気持ちを込めて考えた曲目。例えば、シューベルトはベートーヴェンのことを心の奥底から敬愛していたこともあり、第1回には『敬愛の歌』と題して、シューベルトの作品を組み合わせました。はじめはピアノ・ソナタ全曲なども考えたが、予測がつかないような内容にしたかった。シリーズのタイトルにある『そして…』の部分が何なのかを思って聴いていただければ、大変嬉しいです」と語った。
(ぶらあぼ2018年7月号より)

Bunkamura
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