イタリアの巨匠とフランスの名奏者が生み出す清新な響き
明るくたおやかな音色と理知的なプレイで、聴衆を魅了するイタリア・ピアニズムの粋、ブルーノ・カニーノ。ボルドー出身のヴァイオリンの名手、サンドリーネ・カントレッジとのデュオリサイタルで、フランス近代作品の、清新で深遠な響きの世界を形づくる。
ナポリ出身のカニーノは生地やミラノで学び、1956年と58年のブゾーニ国際コンクールなどで入賞。独特のアプローチを通じて、半世紀以上、自作を含めた幅広いレパートリーを披露し続けている。一方のカントレッジはパリ国立高等音楽院のほか、ドイツやベルギーでも学び、ソロに室内楽にと活躍する実力派女性奏者。カニーノとの共演歴も長い。
Hakuju Hallでの公演は、ドビュッシーとラヴェルのソナタ、さらにラヴェル「ツィガーヌ」、サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」と、名旋律と超絶技巧が同居する傑作を軸に。ここへ、ハイフェッツ編曲「美しき夕暮れ」やイザイ編曲「ワルツ形式によるカプリス」など、ドビュッシーやサン=サーンスの作品からの名編曲を挟み込む。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ2018年5月号より)
2018.5/23(水)19:00 Hakuju Hall
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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