最強のコンビで最強のエンターテインメントを!
ハンガリー出身のクラリネット・ソリストで、現在は日本を拠点に活躍するコハーン・イシュトヴァーン。2013年の東京音楽コンクール第1位受賞「入賞者リサイタル」を2月に開催する。共演ピアニストはハンガリー人の母をもち6歳からハンガリーで学んだ人気の名手、金子三勇士。チラシのキャッチコピーには“親友の二人が生み出す最強の一夜”と、ただならぬ気配が漂う。
日本での演奏は「ヨーロッパ以上に質が重要。自身を高められるし、幸せです」と語るコハーン。金子とは特別なつながりを感じるという。「バルトーク音楽学校の中学1年で同級生になって以来の友人です。三勇士の中には“ハンガリー精神”が、私には5年間日本に住んで得た“日本の心”があります。この両国がお互いの心にあることが関係を強くし、特別な音楽を作り出すのです」
盟友と臨む公演は、演目も強力だ。前半は「クラリネットでの演奏は挑戦」というシューマン(1番)とプロコフィエフ(2番)の“ヴァイオリン・ソナタ”。「想いを人の声のように表現できる」というクラリネットで、ヴァイオリン・ソナタの名作の新たな魅力を引き出す。後半はリストとブラームスそれぞれのハンガリー狂詩曲・舞曲によるコハーン作・編曲の組曲など「ハンガリーらしい選曲」。コハーンといえば、やはり第1位を受賞した15年日本音楽コンクール本選で自作を演奏し、破格の超絶技巧で喝采をさらったことは記憶に新しい。このリサイタルでも、親友・金子とともに、“最強”のエンターテインメントで熱狂の舞台を作りあげる。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2018年2月号より)
2018.2/3(土)18:00 東京文化会館(小)
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