楽しいトークと一級のアンサンブルで癒やしの時間を
文京シビックホールの「夜クラシック」。19時半という遅めの開演時間やトーク付きの親しみやすさに加え、ときには初顔合わせのアンサンブルが登場することもあって、幅広い音楽ファンから人気を集めるシリーズだ。
来る1月の公演では、ピアニストの仲道郁代が、初共演となるヴァイオリンの成田達輝、チェロの上野通明とステージに立つ。いずれも実力派として注目を集める気鋭の若手。仲道は、「成田さんには貴公子の魅力、上野さんにはナチュラルな魅力があり、ぜひご一緒してみたいと思った」という。面識はほとんどないけれどお互い名前はよく知る間柄ということで、一緒に音を出す瞬間が楽しみだと3人は口をそろえる。
テーマ曲のドビュッシー「月の光」に始まる前半は、弦の2人がそれぞれバッハの無伴奏作品を演奏するほか、ドヴォルザークの小品で仲道と共演。仲道はソロでシューマンの「ロマンス」を披露する。
後半は、ブラームスのピアノ三重奏曲第1番。仲道は「作曲家の若さ、のちに改訂した際に加わった練れた書法という両方の魅力を味わえる大曲。聴き終わってホールを出たとき、今日も充実した! と感じてもらえる演奏を目指したい」と話す。ちなみにチェロの上野は、若き日の初稿が書かれた場所の一つであるデュッセルドルフで名手ピーター・ウィスペルウェイのもと学んでいるので、最年少ながら2人をインスパイアする場面が出てくるかも。
どんな共演となるのか、演奏者たち自身にも予想がつかないとにかく新鮮な公演。当日を楽しみに待ちたい。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2018年1月号より)
2018.1/25(木)19:30 文京シビックホール
問:シビックチケット03-5803-1111
http://bunkyocivichall.jp/