読響が日本初の《アッシジの聖フランチェスコ》全曲演奏へ

左より)飯田政之(読売日本交響楽団常任理事・事務局長)、シルヴァン・カンブルラン、山中 隆(びわ湖ホール館長) Photo:H.Yamada/Tokyo MDE
 読売日本交響楽団の2017/18シーズンプログラム発表記者会見が2016年9月30日に行われた。会見には常任指揮者シルヴァン・カンブルランも出席した。
 2017年は、読響創立55周年とメシアン没後25周年にあたり、その記念として、メシアンの歌劇《アッシジの聖フランチェスコ》(カンブルラン指揮、演奏会形式)の上演が発表された。日本での同演目の全曲演奏は初。サントリーホール(2017.11/19,11/26)とびわ湖ホール(11/23)で上演される。カンブルランは「このオペラはこれまで24回指揮をしており、私にとって大切な位置を占めるもの。4時間を超える長く複雑な作品だが、音楽の中に全てを感じ取らせるだけの力がある。曲が進行していくほどに、聴き手は大規模なオーケストラが語る力強さに引き込まれていく傑作」と熱く語った。
 カンブルランは「定期演奏会」3回、「名曲シリーズ」2回、「マチネーシリーズ」2回、「みなとみらいホリデー名曲シリーズ」1回、「パルテノン名曲シリーズ」1回に登場し、6演目11公演を指揮。「演奏機会が少ない曲を聴いてもらえるよう心がけてきた」というマエストロは、バルトークの歌劇《青ひげ公の城》(演奏会形式)とメシアン「忘れられた捧げもの」、ドビュッシー「聖セバスティアンの殉教」交響的断章を披露する(17.4/15)ほか、現在活躍中の作曲家、イェルク・ヴィトマンのクラリネット協奏曲「エコー=フラグメンテ」(ソロは作曲家自身)をブリテン、ブルックナーとカップリングするなど(18.1/13)、独自のコンセプトを打ち出している。
 また、クレーメルやフレイレ、ファウスト、カプソンなどの世界的ソリストを招くほか、17年4月から首席客演指揮者に就任するコルネリウス・マイスターはベートーヴェンの「田園」(17.9/16〜18)、マーラーの交響曲第3番(17.12/12)を披露する。

【Information】
読響創立55周年記念
メシアン:歌劇《アッシジの聖フランチェスコ》(全曲日本初演/演奏会形式)

指揮:シルヴァン・カンブルラン
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル

出演
天使:エメーケ・バラート
聖フランチェスコ:ヴァンサン・ル・テクシエ
重い皮膚病を患う人:ペーター・ブロンダー
兄弟レオーネ:フィリップ・アディス*
兄弟マッセオ:エド・ライオン
兄弟エリア:ジャン=ノエル・ブリアン
兄弟ベルナルド:妻屋秀和
兄弟シルヴェストロ:ジョン・ハオ
兄弟ルフィーノ:畠山 茂

*出演を予定していた兄弟レオーネ役のフィリップ・スライ(バリトン)は、体調不良のため出演できなくなりました。代わりに、フィリップ・アディスが出演します。(2017.11.10更新)

11/19(日)、11/26(日)各日14:00 サントリーホール
問:読響チケットセンター0570-00-4390
http://yomikyo.or.jp/
11/23(木・祝)13:00 びわ湖ホール
問:びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136
http://www.biwako-hall.or.jp/