閃光のような輝きと流れるようなパッセージ
1時間という凝縮された時間と、Hakuju Hallという親密な空間の中で、音楽家と対話をするような時間が味わえる「ワンダフル one アワー」シリーズ。10月(午後、夜の2回公演)に登場するのは、来日するたびに評価が高まっているフランスの俊英、セドリック・ティベルギアンだ。映画スターやプロ・テニスプレイヤーであってもおかしくないルックスだが、パリ国立高等音楽院で学んだピアニズムにより、閃光のような輝きと流れるようなパッセージで多くの曲のイメージを刷新する。
盟友であるヴァイオリニスト、アリーナ・イブラギモヴァとのデュオでも知られる彼が、自身の音楽をストレートにアピールするため選んだのは、プロコフィエフとムソルグスキーだ。モダニズムと抒情が混在したような意欲作「束の間の幻影」と、30分ほどの映画を観るような気にさせてくれる大作「展覧会の絵」を、彼は聴き手を驚かせる技巧で弾ききるのか、それともドラマとして描くのだろうか。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2017年9月号より)
2017.10/6(金)15:00 19:30 Hakuju Hall
問 Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
http://www.hakujuhall.jp/