“小さなオーケストラ”が誘う時空を超える旅
アコーディオンをクラシック音楽の世界に拡げた世界的名手、御喜美江。その御喜に師事し、彼女に続く存在と目される大田智美。師弟にして、日本のクラシック・アコーディオン界の最先端を走り続けるふたりによる、注目のデュオ・コンサートが開催される。
「知られざる深遠な世界」と題された今回のステージでは、林光、J.S.バッハ、グリーグ、クシャノフスキー、ドヴォルザーク、シュトックハウゼン、そしてピアソラと、多様な時代と国の楽曲が並ぶ。バッハとピアソラは同楽器にとって馴染みのある作曲家だが、他の曲ではそれぞれどんな響きが現出するのか、興味がつきない。ことにシュトックハウゼンの「TIERKREIS(黄道十二宮)」(抜粋)は貴重で、無二の神秘的な世界に誘われるはず。
「他のソロ楽器とは一味違ったキャラクターを最大限に表現したい」と御喜が語る通り、繊細さから重厚感、癒しから熱狂まで、アコーディオンの限りない可能性と深い魅力を、ふたりのトップ奏者が余すところなく体験させてくれる。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2017年7月号より)
Music Program TOKYO プラチナ・シリーズ2 御喜美江 & 大田智美
〜クラシック・アコーディオン 知られざる深遠な世界〜
2017.10/6(金)19:00 東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp/