8月にびわ湖ホールと新国立劇場でギルバート&サリヴァンのコミック・オペラ《ミカド》が上演される。本公演に向けてすでにオーケストラ練習、舞台稽古へと進んでいるが、去る7月中旬、びわ湖ホールリハーサル室を訪ね、稽古の様子を取材した。
(2017.7.14 びわ湖ホールリハーサル室 Photo:M.Terashi/TokyoMDE)
この日の稽古は第2幕から。
結婚式を前にした朝、幸せいっぱいのはずのヤムヤムが涙に暮れている。なぜなら、結婚相手のナンキプーが1ヶ月後には死刑になってしまうから・・・
仲良しのピープボー、ピッティシングに囲まれ「私は世界で一番美しい。完璧な幸せ」と語るのも束の間、ピープボーとピッティシングが死刑を想い出させ、泣いてしまうヤムヤム・・・
そこにナンキプーとピシュタッシュが現れ・・・
ヤムヤムの美しい歌〈お日さま輝き 辺りを照らす〉に続き、5人による軽快なマドリガルが続く、全編でもひときわ美しく楽しい場面だ。
ヤムヤム:この世で一番大好きな人と結婚する。この世で一番幸せな女の子。
ピープボー:そうね、完璧な幸せ。
ヤムヤム:ほんとうに完璧な?
ピッティシング:う〜ん、怒らないでね。旦那さんが1ヶ月後には首を刎ねられちゃうわけでしょ。完璧と言えば完璧だけど、そこが難点よね。
ヤムヤム:こんな日にそんなこと言い出さないで。
ピープボー:断ち切られる!
ナンキプー:ヤムヤムが泣いている。結婚式の朝だと言うのに。
ヤムヤム:あの子たち、1ヶ月であなたの首が刎ねられちゃうことを想い出させるの。
ナンキプー:やれやれ、時間の単位なんてどうとでもなるんだ。1日が24時間だなんて誰が決めたんだ・・・
◆びわ湖ホール オペラへの招待サリヴァン/コミック・オペラ《ミカド》
(全2幕・日本語上演/日本語・英語字幕付 予定上演時間:約2時間30分(休憩含む))
2017年8/5(土)14:00、8/6(日)14:00 びわ湖ホール(中)
◆平成29年度 新国立劇場 地域招聘オペラ公演 びわ湖ホールサリヴァン/コミック・オペラ《ミカド》
(全2幕・日本語上演/日本語・英語字幕付 予定上演時間:約2時間30分(休憩含む))
2017年8/26(土)16:00、8/27(日)14:00 新国立劇場(中)
指揮:園田隆一郎
演出・訳詞:中村敬一
美術:増田寿子
照明:山本英明
衣裳:下斗米雪子
振付:佐藤ミツル
音響:押谷征仁(滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール)
舞台監督:牧野 優(滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール)
出演:びわ湖ホール声楽アンサンブル
ミカド:松森 治 *
ナンキプー:二塚直紀 *
ココ:迎 肇聡 *
プーバー:竹内直紀 *
ピシュタッシュ:五島真澄
ヤムヤム:飯嶋幸子
ほか
* びわ湖ホール声楽アンサンブル・ソロ登録メンバー
管弦楽:日本センチュリー交響楽団
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