“ドヴォルザークの名手”が名曲の秘密を解き明かす
名曲とは、なぜ“名曲”なのか? なぜ私たちは“名曲”と感じるのか?——と書くといささか大げさかもしれないが、この公演は名曲の秘密を解き明かすための大きなヒントになるかもしれない。
新日本フィルと共に、指揮者の下野竜也が企画監修、指揮にレクチャートークもこなす、夏の好評企画『音楽の魅力発見プロジェクト』。今年の題材曲は、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。思い切って1曲だけに絞って徹底大解剖してしまうという意欲的な内容で、この名作にはどんな工夫が凝らされていて、どう優れているのか、下野が明快なトークで明らかにしていく。聴き慣れた作品から新たな魅力を発見する体験は、得難い宝物になるはず。もちろん肝心の演奏も、ドヴォルザークに深い愛情を注ぎ続けてきた下野だけに、万全の熱演が期待できる。また、開演前にはワークショップ(要申込)や、指揮・楽器体験といった関連プログラムも。家族ですてきな音楽体験ができる一日ともなる。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2017年8月号より)
2017.8/12(土)16:00 すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212
http://www.triphony.com/