16歳で参加し奨励賞を受賞した2006年の浜松コンクール以来、10年マイアミ全米ショパンコンクール優勝など数々のコンクールで活躍。カーティス音楽院とハノーファー音楽大学で学んだ中国系アメリカ人ピアニストのクレア・フアンチは、若手に注目している日本のピアノファンの間ではおなじみの存在だ。10歳で当時のアメリカ大統領ビル・クリントンに演奏を披露したという神童エピソードを持つ彼女も、今や20代後半。スカルラッティのソナタ集の録音で高い評価を得るなど、自らの音楽性を生かした活動で邁進している。
今回演奏するのは、ベートーヴェンの月光ソナタやスクリャービンのソナタ第2番、そして得意とするショパンから「24のプレリュード」など、濃い内容のプログラムだ。持ち前のみずみずしいタッチと自由な感性、多様な音色を披露する、幅広い作品が揃う。
これまでにもたびたび来日しているが、ソロ・リサイタルを聴ける機会は多くなかった。このチャンスに生の音を味わっておこう。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2017年8月号より)
2017.9/28(木)19:00 Hakuju Hall
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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