いずみシンフォニエッタ大阪が超絶のコンチェルトを一挙上演

 いずみシンフォニエッタ大阪が7月15日、協奏曲を特集する。題して、「超絶のコンチェルト–めくるめく競演」。指揮は同団2度目の登場となる下野竜也。

 前半は、楽団メンバーの上田希(クラリネット)、呉真一(トロンボーン)、古部賢一(オーボエ)がソリストとして登場、尹伊桑:クラリネット協奏曲(1981)、松本直祐樹:トロンボーン協奏曲(委嘱新作)、ジョン・ウィリアムズ:オーボエ協奏曲(2011)を披露する。
 後半は“声の協奏曲”とも言うべき、ハインツ=カール・グルーバー:フランケンシュタイン!!(弦楽合奏版)に宮本益光(バリトン)が登場する。
 いずれも超絶技巧を要する難曲だが、去る5月22日、ソリスト4名が一堂に会し記者会見で抱負を述べた。
(2017.5.22 大阪・TWIN21 Photo:M.Terashi/TokyoMDE)

左より)上田希(クラリネット)、呉信一(トロンボーン)古部賢一(オーボエ)、宮本益光(バリトン)

■上田希(クラリネット)
 尹伊桑の生誕100年ということで、クラリネット協奏曲の演奏を打診された時は、最初はきわめて躊躇しました。というのも、尹伊桑という作曲家は、20年くらい前に、譜面をひらいては本棚にしまい続けてきた存在。すぐに、やりますとは言えなくて、とても迷いました。
 ただ、20年前よりはいろいろな経験をしてきたので、どうなるか分かりませんが、頑張って挑戦してみようかなということで引き受けました。
 コンチェルトをやるにあたって、ほかの尹伊桑の作品を勉強しておいた方がよいと思い、昨年から本番で彼の作品を挟んでみたりして、少しずつ仲良くなれているかなという想いです。

■呉真一(トロンボーン)
 僕にはまだ譜面がないんです(笑)。わたしたち譜面がなければ何もできないただのラッパを持ったしょうもないおっさんなんです。
 彼、元々トロンボーン吹きなんですね。曲のイメージは彼曰く、はじめ2分から2分30秒は一発も吹かないで、ステージの上でずーっと立っているらしいんです。そのなかで弦楽器の静かなハーモニーが流れていくなかで、ピアノが時を刻む音だけが聞こえる・・・ 
 彼はマーラーが好きだそうで、マーラーの交響曲第3番のトロンボーンの素晴らしいソロをイメージして作ってみたいと言っておりました。ぼくもまだ譜面はみておりませんが、ぜひお楽しみいただけたらと思います。

■古部賢一(オーボエ)
 とても叙情的な部分が多く、オーケストラは弦楽合奏とオーボエという編成で、非常にポエテッィクな部分もあり、オーボエの得意とする歌を歌っていくという曲かなと思います。
 アメリカの現代作曲家としてマーラーからコルンゴルトそしてジョン・ウィリアムズという歴史の音楽的な繋がりを感じさせる非常に美しい曲なのではないかなと思っております。いずみシンフォニエッタでコンチェルトをやらせていただくのは今回が初めてなので、とても光栄に思っております。

■宮本益光(バリトン)
 今回は室内合奏版で演奏しますが、2012年にオーケストラ版で演奏依頼が来たときに譜面を見たら、ベルカント的な発声を禁ずるという言葉が譜面に記されていて、そんな曲を何で俺に頼むんだろうと半分怒りにも似たような感情が湧いてきました(笑)
 それで、一度はお断りしたのですが、資料でいただいた音楽を聴くとなんとも心奪われてしまって、聴けば聴くほどその音楽の虜になってしまったんです。
 また、調べていくと名だたる作曲家、指揮者の方々がフランケンシュタインの価値観について述べている。これは作品というよりも、作曲家に対して、歌手として挑戦すべきなのではなかろうかという、声の専門家としてこの作品にアプローチするという考え方もあるんじゃないかということで、お引き受けしました。
 実際にやってみると難しいことも沢山ありましたけれども、オーケストラの皆さんも鍵盤ハーモニカだったり、スライドホイッスルだったりを演奏しなくてはならないのですが、みんなでもって音楽を楽しむいう原点に立ち戻ろうじゃないかという思いが稽古に入る前から言葉で交わされていて、実際稽古に入って舞台に入ってみると、いつも楽しいのですけれども、より楽しみ合うという姿がそこにあって、実に気持ちの良い瞬間でした。
 なかなか日本では演奏されない曲ですが、今回室内合奏版ということで聞こえてくる音も違うんでしょうけれども、いずみシンフォニエッタさんという国内を代表するソリストの方々が集まったチームとお届けできるというのは、私にとって光栄なことです。
 今回の演奏会のことをHKグルーバーに報告をしたら、Braaaaaaaavooooooというような実に興奮したメールが返ってきて、私も頑張らなくてはいけないと思った次第です。

フランケンシュタイン!!の楽譜に付属する各種楽器

<新・音楽の未来への旅シリーズ>
いずみシンフォニエッタ大阪第39 回定期演奏会
超絶のコンチェルト-めくるめく競演-
2017年7月15日(土)16:00いずみホール

●出演
下野竜也(指揮)
上田 希(クラリネット)、呉 信一(トロンボーン)
古部賢一(オーボエ)、宮本益光(バリトン)
演奏:いずみシンフォニエッタ大阪

●曲目
尹伊桑:クラリネット協奏曲(1981)
松本直祐樹:トロンボーン協奏曲(委嘱新作)
〜関西若手作曲家委嘱プロジェクト第6弾〜
ジョン・ウィリアムズ:オーボエ協奏曲(2011)
ハインツ=カール・グルーバー:フランケンシュタイン!!(室内合奏版・日本語字幕あり)

●問
いずみホール チケットセンター06-6944-1188
http://www.izumihall.jp/

  • La Valseの最新記事もチェック

    • 11/13 新居由佳梨(ピアノ) 公演にむけたメッセージ
      on 2019/10/18 at 15:40

      ピアニストの新居由佳梨が、11月13日に東京オペラシティ リサイタルホールでソロとデュオ(共演はチェロの西谷牧人)のリサイタルを開催する。フランクとバッハを核とした内容となっており、今回の公演にあたり、メッセージをいただきました。 【動画メッセージ】新居由佳梨 ピアノリサイタル ぶらあぼ本誌11月号&WEBぶらあぼでもインタビュー記事を公開中。 新居由佳梨(ピアノ) profile 新居由 [&#8230 […]