東京バレエ団〈20世紀の傑作バレエ〉 『アルルの女』『小さな死』『春の祭典』

三大巨匠の傑作を一挙上演

『アルルの女』より Photo:Laura Ferrari
 20世紀後半を代表する巨匠振付家たちの振付作品によるトリプル・ビルだ。
 ローラン・プティの『アルルの女』(1974年初演)は、ビゼーの同題曲に振り付けられたドラマティックな舞台。婚約者がありながらも闘牛場で出会った女性の幻影に惹かれ、追い求めていく若者の行く末は――。ロベルト・ボッレ&上野水香、柄本弾&川島麻実子という2組の競演が楽しみだ。
 イリ・キリアンの『小さな死』(91年初演)は、モーツァルトのピアノ協奏曲第23番と第21番を用いて、男女の愛と官能の極致をセンシティヴに伝える。美しい旋律とともに押し寄せる、えもいわれぬ豊かな情感の波に身を任せたい。
 バレエ団初演の2本に加え、十八番であるベジャールの『春の祭典』(59年初演)も上演。ストラヴィンスキーの力強い音楽と切り結び、人間の生と死の根源に迫る舞台は、何度接しても新鮮で観る者の本能に訴えかける。
 “傑作”と呼ぶに値する3本が一挙上演される好機をお見逃しなく。
文:高橋森彦
(ぶらあぼ 2017年7月号から)

2017.9/8(金)〜9/10(日) 東京文化会館
問:NBSチケットセンター03-3791-8888
http://www.thetokyoballet.com/