ボリショイ・バレエ『ジゼル』『白鳥の湖』『パリの炎』

初来日から60年!世界最高峰のバレエ団の伝統と進化を観る

 ボリショイ・バレエは、常に「ボリショイ(露語=大きい)」の名に違わずスケール大きな舞台で、世界バレエ界の最高峰に位置してきた。今年は、1957年の初来日からちょうど60年。改めてボリショイ・バレエが我が国に及ぼした衝撃の大きさが実感できることだろう。
演目は、まずチャイコフスキーの名曲『白鳥の湖』。2001年に巨匠グリゴローヴィチによって改訂された決定版で、粒揃いの主役陣をはじめ、白鳥たちの一糸乱れぬ群舞が見どころ。アダン作曲の『ジゼル』では、ロマンティック・バレエの醍醐味を堪能したい。そして期待高まるのが『パリの炎』の日本初演。フランス革命期のマルセイユ義勇軍の台頭を題材にしたバレエで、アサフィエフの作曲により1930年代に初演された。今回上演されるのは2008年にラトマンスキーが改訂振付した2幕版。ガラ公演などでお馴染みのジャンヌとフィリップのグラン・パ・ド・ドゥなど超絶技巧が散りばめられ、見どころ満載だ。
ソリストにはボリショイの誇るそうそうたるメンバーが並ぶ。女性陣は、至宝ザハーロワを筆頭に、旬のプリマ、スミルノワ、ボリショイとは初来日になるオブラスツォーワ、新進のステパノワ(4名ともマリインスキー・バレエの出身者!)、男性は、チュージン、オフチャレンコ、ラントラートフ、ゲストのワシーリエフなど。どのキャストを観ても、ボリショイの偉容に圧倒されること間違いなし。
文:渡辺真弓
(ぶらあぼ 2017年5月号から)

『ジゼル』 6/4(日)、6/5(月) 『白鳥の湖』 6/7(水)〜6/12(月)
『パリの炎』 6/14(水)、6/15(木) 東京文化会館
*配役、全国公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
スヴェトラーナ・ザハーロワが出演する公演(6/4、6/8 各日19:00)は完売
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040
http://www.japanarts.co.jp/bolshoi_b2017/