古楽界の精鋭集団が贈る、熱狂のスパニッシュ・ダンス
リュート&ギター奏者のヴァンサン・デュメストル率いる古楽アンサンブル「ル・ポエム・アルモニーク」が待望の再来日を果たす。ダンスや芝居を取り入れた彼らのステージの独特な世界観は、数多の団体があるフランス古楽界でもひときわ異彩を放っている。過去の来日でも、照明を落とした仄暗い舞台で繰り広げられるプログラムが話題を呼んだ。
「ダンツァ!」と題された今回の演目は、ルイ13世や14世の時代にフランス宮廷で活躍したスペイン人たちにスポットを当てたもの。フォリア、エスパニョレータ、サラバンドなど中米やイベリア半島に由来する舞曲が次々と展開される。他に、16世紀の世俗歌曲ビリャンシーコの重要な集成「ウプサラ歌集」からの一曲も。即興性にあふれ、活き活きとしたダンスのリズムに身を任せれば、聴き手もスペイン音楽が鳴り響いたバロック時代のフランスの街角へと誘われるはず。ぜひ、ヨーロッパ古楽最前線の目撃者となっていただきたい。
文:杉村 泉
(ぶらあぼ 2017年5月号から)
5/23(火)19:00 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990
http://www.ojihall.jp/