新日本フィルハーモニー交響楽団が2017/18シーズンラインナップ、および第8回ルビー〈アフタヌーン コンサート・シリーズ〉のプログラムを発表した。
(2017.4/11 すみだトリフォニーホール Photo:M.Otsuka/Tokyo MDE)
今年は、本拠地のすみだトリフォニーホールが開館20周年。新日本フィルと墨田区のフランチャイズ提携も、同じく20年の節目を迎えた。
定期演奏会は、昨シーズンに続いて、中核となる〈トリフォニー・シリーズ「トパーズ」〉および〈サントリーホール・シリーズ「ジェイド」〉と、〈アフタヌーン・コンサートシリーズ「ルビー」〉の3シリーズで構成。特別演奏会として〈横浜みなとみらいシリーズ「サファイア」〉も開催する。
すみだトリフォニーホールを会場とする「トパーズ」シリーズでは、全8回のうち3回を音楽監督の上岡敏之が振り、ラヴェル「ラ・ヴァルス」(2018.1/12,1/13)、シューマン「交響曲第1番『春』」(2018.3/30,3/31)ほかを披露。その他の公演では、ウィーン・フィルのコンマスとしても著名なライナー・ホーネックによるモーツァルト「ハフナー・セレナード」(11/17,11/18)、現代音楽に積極的なマルクス・シュテンツによるヘンツェ「交響曲第7番」(2018.2/2,2/3)など、新日本フィルとは初顔合わせとなる海外の俊英指揮者5名が登場する。サントリーホールで行われる「ジェイド」シリーズは、作曲家タン・ドゥンによる自作プロ(2018.3/17)、ラドミル・エリシュカが振るドヴォルザーク「交響曲第8番」(2018.5/12)など注目のラインナップが並ぶ。金・土曜日の14時より行われる「ルビー」シリーズでは、鈴木雅明がメンデルスゾーン「宗教改革」(2018.2/16,2/17)、オッコ・カムがシベリウス「交響曲第2番」(2018.4/13,4/14)を振る。共演陣も、ピアノのカティア・ブニアティシヴィリ(11/10,11/11)など話題のアーティストが登場。
会見では、音楽監督就任2シーズン目となる上岡が、地域に根ざしたオーケストラとしての今後のビジョンを次のように述べた。
「今シーズンのプログラムは、例えるなら“ハリウッド映画”ではなく“ヨーロッパ映画”。豪華に花火を打ち上げるのではなく、聴いてくださった方々にとって、後に残り、いろいろな想いをめぐらせるようなプログラムを目指した。聴きやすい作品ばかりではないかもしれないが、楽譜や音楽的内容としっかり向き合い、作曲家の意図をできる限り伝えられるような方向にオーケストラを導いていきたいと思っています。客演指揮者やソリストも、音楽の中身を最も大切にする人を選びました」
なお、トパーズ定期会員とサファイアのセット券購入者を対象として、「日本では初のソロ・リサイタル」というスペシャル企画「上岡敏之ピアノリサイタル」(2018.3/19)も予定されている。
聴衆からリクエストを募集した、今夏の第8回ルビー〈アフタヌーン コンサート・シリーズ〉リクエスト・コンサート(7/21,7/22)のプログラムは、パガニーニ「ヴァイオリン協奏曲第1番」、ベルリオーズ「幻想交響曲」に決定したことがあわせて発表された。
新日本フィルハーモニー交響楽団
*各公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://www.njp.or.jp/