ペトル・アルトリヒテル(指揮) プラハ交響楽団

 オーケストラのメンバーの国際化が進み、サウンドのグローバル化が著しいとされる昨今、楽団の国籍による固有の響きなどというものは幻想になりつつあるのかもしれない。しかし、作品によってはローカルなサウンドや味わいがその本質に直結するというケースもあるのではないだろうか。
 チェコから来日するペトル・アルトリヒテル指揮プラハ交響楽団に期待されるのは、そんな地域色だろう。演奏するのはスメタナの連作交響詩「わが祖国」全曲。まさに“これしかない”というプログラムだ。有名な交響詩「モルダウ」をはじめ、スメタナが祖国の伝説と自然を音に紡いだ6曲の交響詩からなる、チェコ国民音楽の金字塔である。チェコの音楽家だからこそ、意図を汲めるニュアンスやディテールが作品のそこかしこに散りばめられていることは想像に難くない。
 プラハ交響楽団は1934年の創設。設立当初は映画音楽などを演奏する楽団だったという。しかし名指揮者ヴァーツラフ・スメターチェクの尽力により大規模な交響楽団へと発展し、国際的な評価を獲得するに至った。スメターチェクは約30年にもわたって同楽団を率いており、これだけひとりの指揮者と深い結びつきを持つオーケストラもまれだろう。現在は日本フィル首席指揮者でもあるピエタリ・インキネンがシェフを務めている。
 彼らならではの伝統の響きを聴かせてくれることを願う。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ 2017年2月号から)

3/16(木)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040
http://www.japanarts.co.jp/

他公演
3/14(火)京都コンサートホール(075-711-3231)
3/15(水)愛知県芸術劇場 コンサートホール(テレビ愛知事業部052-243-8600)

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