ウィーン・シュトラウス・フェスティヴァル・オーケストラ ニューイヤー・コンサート2017

新年の幕明けは本場のウィンナ・ワルツで!

 数ある演奏団体の中で、「世界に対して、ウィーン市を代表するオーケストラ」とJ.シュトラウスⅠ没後150年にあたる1999年、市当局から唯一、“太鼓判”を押されたのが、「ウィーン・シュトラウス・フェスティヴァル・オーケストラ」。伝統的な様式と響きを堅持して芸術性を追求する中から、音楽の歓びと魅力を紡いできた。ウィーン交響楽団コンサートマスターを務めるヴィリー・ビュッヒラーに率いられ、日本へと降り立ち、音楽の都からの、華やかな年賀の便りを届けてくれる。
 この楽団は、ウィーン響など、一線で活躍する名手たちによって1978年に設立。ビュッヒラーと、シュトラウス音楽の研究で知られるペーター・グートの2人が共同で音楽監督を務め、どちらもヴァイオリンを弾きつつ指揮をする、伝統的なスタイルで演奏に臨む。2000年からはウィーン・コンツェルトハウス大ホールでニューイヤー・コンサートを開き、街の風物詩として定着。今回も、その熱気さめやらぬ中での、日本公演となる。
 J.シュトラウスⅡ「皇帝円舞曲」など、ワルツやポルカの名曲はもちろん、豪華な声楽ソリストを迎えて、オペレッタの名旋律も。わが国が誇る名メゾソプラノ林美智子とのステージ(1/7,1/8,1/12)では、カールマン《チャールダーシュの女王》から〈ハイア、山こそわが心の故郷〉など、華麗な技巧と美声が要求されるアリアの数々を披露。そして、ソプラノ安藤赴美子、テノール西村悟というフレッシュなコンビが登場する公演(1/9)では、レハール《メリー・ウィドウ》からの二重唱〈唇は語らずとも〉のほか、それぞれのソロでアリアも歌う。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年12月号から)

2017.1/7(土)14:00 兵庫県立芸術文化センター(0798-68-0255)
1/8(日)15:00 よこすか芸術劇場(046-823-9999)
1/9(月・祝)14:00 大田区民ホール・アプリコ(03-3750-1555)
1/12(木)19:00 サントリーホール(ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040)
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