深化し続ける音楽性はまさに“レジェンド”
弦の国チェコの“レジェンド”を、ぜひ体感したい。「プラジャーク・クヮルテット」は1972年、プラハ音楽院の学生たちによって結成。1975年のプラハの春音楽祭で国際舞台へと一歩を踏み出し、精緻で血の通った快演で、瞬く間に第一線へと躍り出た。そして、結成40年を過ぎてなお、その音楽を深化し続けている。
今回は、ドイツで活躍するロータス・カルテットの名ヴィオリスト、山𥔎智子の共演を得ての、ブラームスの五重奏曲第2番が軸に。「彼らの演奏を初めて聴いた時の衝撃は一生忘れません。明るく眩しいエネルギーを放ち、涙が出るほど感動して、『何があっても、自分は弦楽四重奏』を続けたいと思いました。共演にあたっては、彼ら持ち前の優しいオーラで包み込んでくれるので、一緒に音楽に没頭するだけです」と山𥔎は言う。そして、数ある弦楽四重奏曲の中でも「チェコに生まれた我々には、最もアプローチが容易」とメンバーが口を揃えるドヴォルザークから、第12番「アメリカ」と第10番、ふたつの傑作を配する。
文:笹田和人
12/4(日)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
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