気鋭のクァルテットが挑む“1824年”の2大傑作
現在最も注目を浴びている若手クァルテットのひとつで、今年結成10周年を迎えるウェールズ弦楽四重奏団が、第一生命ホールの人気シリーズ『クァルテット・ウィークエンド』に登場する。
今回は、彼らの思い入れが深いシューベルトの後期作品に、ウィーンの作曲家を組み合わせた3回のシリーズを企画。その第1回目となる当公演では、シューベルトの第13番「ロザムンデ」と、ベートーヴェンの第12番を演奏する。この2曲は、ともに1824年に作曲され、初演も同じ演奏者が行った繋がりの深い作品。しかも、今回は初演された順番に演奏するので、当時のウィーンの聴き手が味わった感動を追体験できるかもしれない。
クァルテットの在り方を、「音が鳴った瞬間、ボールを蹴った瞬間に、ここにこう来るだろうなと、同時にお互いの考えが並行していないと成り立たないサッカーチームのようなもの」と語る彼ら。そのハイブリッドで洗練された解釈は、間もなく秋の晴海で明らかになる。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ 2016年10月号から)
10/10(月・祝)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
http://www.triton-arts.net