平尾はるな ピアノコスモス 2016 デビュー50周年記念 ベーゼンドルファーコンサート

記念年は得意のフランス近代ものを中心に


 新作を委嘱・初演するなど、現代日本の作品の啓蒙や紹介に大きく寄与、後進の指導にも力を注ぎ、多くの現代音楽のスペシャリストを育て上げるなど、常にわが国のピアノ界をリードし続けてきた平尾はるなが、デビューから50周年を迎えた。7歳からパイオニアである安川加壽子の薫陶を受け、パリ国立高等音楽院に学び、プルミエ・プリで卒業。帰国後も国際舞台での活躍を続ける一方、スポーツトレーニングの概念を採り入れた新たなピアノ練習法の研究と普及に努めるなど、先鋭的な活動を展開してきた。
 『ピアノコスモス』と題した記念公演では、銘器ベーゼンドルファーを駆り、エストレリータ・ワッセルマンの朗読を交えた「小象ババールの物語」などプーランク、「ジムノペディ第1番」などサティの小品、西村朗「ピアノのための『星の鏡』」を披露する。そして、これらの“プレリュード”のようにモーツァルト「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」を弾く。彼女の“音の宇宙”の広大さが、改めて実感できよう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年9月号から)

10/30(日)14:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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