アンドレイ・ググニン(ピアノ)

話題の新星によるリサイタルが早くも実現!


 7月に開催されたシドニー国際ピアノコンクールで優勝に輝いたばかりの、アンドレイ・ググニン。彼のリサイタルを、さっそく東京の浜離宮朝日ホールで聴くことができる。
 ググニンは、1987年生まれ。モスクワ音楽院で、名教師として知られる故ヴェラ・ゴルノスタエヴァのもと学んだ。ロシアのピアニストらしい強靭なタッチと卓越したテクニックを持ち、誠実な音楽づくり、過剰な味付けなしで生き生きと響く音楽に魅力がある。すでに世界のコンサートホールで演奏活動を行っていたが、今回の優勝でまたひとつ華やかなキャリアを積むことになった。
 今回彼が取り上げるのは、ベートーヴェンとリスト。冒頭に、シドニーでも弾いたベートーヴェンの「幻想曲」を演奏する。続く「熱情ソナタ」では、情感豊かながら、品格を感じさせるまっすぐなベートーヴェンの世界に期待したい。
 さらに後半にはリストの「超絶技巧練習曲集」で、前半とはまた一風異なる、華麗かつ繊細な表現力を披露する。磨き上げられた技巧に圧倒されることだろう。ボリュームたっぷりのプログラムで、さまざまな側面からググニンの実力を確認することができそうだ。
 シドニー国際ピアノコンクールは、ゲルギエフをアーティスティック・パトロンに招いたことで彼との共演を含む副賞の演奏会も増え、これまで以上に注目を集めていた。優勝したググニンは、これからしばらく世界の舞台で間違いなく熱い視線を浴びることになる。この来日の機会に、ぜひ聴いておきたい。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ 2016年9月号から)

9/28(水)19:00 浜離宮朝日ホール
問:サンライズプロモーション東京0570-00-3337
http://miy-com.co.jp