ダンス界の先端を行く“師弟”のクリエイション
押しも押されもせぬ大御所にして、意気盛んに独舞や群舞作品を世に問う笠井叡。笠井が創立した舞踏研究所「天使館」の初期のメンバーで、独立後は国内外で活動し、ダンスカンパニー「枇杷系」を主宰する山田せつ子。長年第一線を疾走する師弟が初夏の京都で共演する。
構成・振付も担当する笠井は大きな評判を呼んだ『nobody Eve―誰でもないもののイヴ』(2003年)、『今晩は荒れ模様』(15年)でも山田を起用した。その表情豊かで抒情性に富んだダンスは得難い魅力を放つ。笠井自身も今年2月の独舞『冬の旅』で初のセルフコレオグラフィーに挑み、シューベルトの名曲集を鮮烈に踊るなど活動のボルテージは高い。
佐伯有香、野田まどか、福岡まな実、松尾恵美という、関西を拠点に幅広く活躍する個性的かつ実力派のコンテンポラリーダンサーが集い、笠井、山田とクリエイションを行うのも見どころである。遠方からでも駆けつけたい要注目の舞台だ。
文:高橋森彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年7月号から)
7/2(土)、7/3(日)各日15:00 京都芸術劇場 春秋座 特設客席
問:京都芸術劇場チケットセンター075-791-8240
http://www.k-pac.org