3年に一度愛知県で開催される現代アートの祭典〈あいちトリエンナーレ〉。パフォーミングアーツ部門13演目には話題のダンス公演が並んでいる。祭典のテーマである「人間の旅」に因んだ作品が多いので、旅をしているような気分が満喫できるのではなかろうか。
まず開幕を飾るのは、8月にブラジルから初来日するダニ・リマ(8/11〜14、8/17、18)。遊びの中に日常を発見するパフォーマンスは大人から子供まで楽しめそうだ。9月は、『虹のカーニヴァル』と題した一般参加型の屋外プログラムが2日間にわたって名古屋市で開催される(9/24、25)。10月はスペインから2団体が来演。現代フラメンコの名手イスラエル・ガルバンがソロ作品『SOLO』(10/7〜9)のほか、フラメンコの歴史と自らの生い立ちをたどる最新作の『FLA.CO.MEN』(10/15、16)を披露するのが注目される。もう一つのアニマル・レリジョンは、「動物・宗教」という名称もさながら、動物をテーマに創作を行っているユニークな団体。『Chicken Legz』(10/8〜10)はサーカスの要素を交えた野外スペクタクルで前評判も高い。
続いてフランスから2団体。まずファンタジー溢れた舞台でおなじみのフィリップ・ドゥクフレは、カンパニーDCAと『CONTACT』を携えて来日(10/15、16)。ゲーテの『ファウスト』を題材としたダンス・シアター・スペクタクルを上演する。
カンパニー・ディディエ・テロンは、「膨らんだ冒険」シリーズから新作『AIR』など2作を上演(10/21〜23)。膨張した衣裳をまとったダンサー達がまちなかを練り歩く様はハプニング効果も十分だろう。
日本勢で期待されるのは気鋭の振付家、山田うんの新作『いきのね』初演(10/22、23)。愛知県の奥三河に伝わる芸能神事「花祭」に触発されて創作するもので、「コピーではなく、継承されてきたものを身体で感じて、人々の生き方をフィジカルに再現したい」と山田は意欲満々。エネルギッシュな群舞に定評があるだけに新作も見応えあるものになりそうだ。能アーティストの青木涼子は『秘密の閨(ねや)』を世界初演する(10/23)。
10月6日から会期最後までの3週間は「レインボーウィークス」として、週末にまとめて公演を見られる配慮も。この機会を利用して「旅」に参加してみたい。
文:渡辺真弓
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年7月号から)
あいちトリエンナーレ2016 パフォーミングアーツ
8/11(木・祝)〜10/23(日) 愛知県芸術劇場、名古屋市芸術創造センター、名古屋市青少年文化センター 他
6/25(土)発売
※公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
問:あいちトリエンナーレ実行委員会事務局052-971-6111
http://aichitriennale.jp