音楽を慈しむ作家・江國香織とともに過ごす夏の午後
音楽を愛する作家がナビゲーターとしていざなう『ギンザ・ブックカフェ・コンサート』。1年前に平野啓一郎で始まった企画の2回目は、直木賞作家の江國香織がゲスト。「私は言葉の持つ力を信じているが、即効性という点で、言葉はやっぱり音楽にかなわない」とは、『空から降る音楽』というエッセイの彼女の言(このエッセイでは、当公演で演奏されるオルガン曲の入ったCDにも触れている)。さまざまな作品の中に登場する音楽のシーンからは、ジャズにポップスにクラシックに、守備範囲の広い音楽好きであることがうかがわれる。
公演はコンサートを中心に据えた3部構成。コンサートは上森祥平(チェロ)と三和睦子(チェンバロ/オルガン)を招いて、「無伴奏チェロ組曲」など数曲のバッハを中心に据えたバロック・プログラムだ。コンサートの前には江國による『わたしと音楽』と題されたトーク、そしてコンサート後の第3部では、出演者とのクロストークも。どんな話題になるだろうか。公演名に「カフェ」が付くのは飾りではなく、コンサート前後にはお茶のサービスも。素敵な銀座の夏の午後が過ごせそうだ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年7月号から)
7/14(木)14:00 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990
http://www.ojihall.jp