2014/15シーズンから東京交響楽団の音楽監督を務め、登場するコンサートのすべてが注目されるというジョナサン・ノット。透明感があってスマートな印象の響きを実現し、作品自体に魅力を語らせるようなアプローチは「この曲であればどうなるのだろう」という期待を抱かせてくれるのだ。
オペラハウスを模した「よこすか芸術劇場」へ初登場となるコンサートでは、このコンビだからこそ聴いてみたい作品のひとつ、ブルックナーの交響曲第8番が演奏される。作曲者が追究してたどり着いた響き、神への信仰心、周到な対位法,オルガニストとして培った感覚などが集約された大作だ。金子三勇士が共演するモーツァルトのピアノ協奏曲第20番も含め、この日は「短調の奥深さ」を堪能できるコンサートでもあるだろう。ブルックナーはサントリーホールでも演奏されるが、モーツァルトが加わるのはこの回のみ。サントリーホールに行けないという方も、足を延ばして横須賀へ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年6月号から)
7/17(日)15:00 よこすか芸術劇場
問:横須賀芸術劇場046-823-9999
http://www.yokosuka-arts.or.jp