ソロ楽器としてのコントラバスの魅力
コントラバスという楽器自体への先入観を、覆してしまうかも。石川滋は“コントラバスの至宝”とも称される、世界的な名手。慶応大学在学中にジャズ研究会でベース奏者として活躍する一方、堤俊作に師事。エール大学で巨匠ゲイリー・カーの薫陶を受け、ジュリアード音楽院を経て、1993年にマイケル・ティルソン・トーマス率いるニューワールド響首席奏者に。フロリダ・フィル首席やベルン響首席ソロ奏者を歴任し、2013年に読響初のソロ・コントラバス奏者に就任した。パッションあふれる音色を武器に、ソリストとしても精力的に活動し、新たなレパートリーの開拓にも余念がない。
今回のリサイタルでは、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番から「プレリュード」のほか、ピアノの鈴木慎崇を伴い、フォーレ「夢のあとに」、マスネ「タイスの瞑想曲」、サン=サーンス「白鳥」、ロータ「ディヴェルティメント」など、魅力的な旋律を満載。“縁の下の力持ち”の、ソロ楽器としての表現力や包容力に、リクライニング・シートでリラックスしながら身を委ねてみたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年4月号から)
5/13(金)15:00 19:30 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
https://www.hakujuhall.jp