第13回 東京音楽コンクール 優勝者コンサート

力強く羽ばたく若き才能たちの熱演


 これまでに多くの国内外で活躍する音楽家を輩出してきた東京音楽コンクール。2015年開催の第13回は、各部門に外国人審査員を迎えるなどし、新たなスタートを切った。その激戦を勝ち抜いた若き音楽家たちが卓越した演奏を聞かせる優勝者演奏会が、16年1月、新たな年の幕開けと共に東京文化会館で開催される。指揮は梅田俊明、管弦楽は東京フィルハーモニー交響楽団。
 弦楽部門からはチェロの水野優也。桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)3年在学中と非常に若いが、既に第83回日本音楽コンクールの第3位入賞者でもある。「完璧な技術」、「人の心を動かす演奏」と評される音楽性を、シューマンのチェロ協奏曲で堪能しよう。
 木管部門からは、13年より神奈川フィルハーモニー管弦楽団首席ファゴット奏者を務める鈴木一成。ファゴットという楽器の魅力が結集したフランセの協奏曲で、評価の高い音楽性と構築性を味わいたい。
 声楽部門からはバリトンの清水勇磨。日伊声楽コンコルソ、第12回東京音楽コンクール入選等の受賞歴もあり、多くの舞台で活躍の場を広げている。「説得力バツグン」と評される気迫に満ちた声で、ロッシーニのコミカルな《セヴィリアの理髪師》から〈私は街の何でも屋〉、ジョルダーノのシリアスな《アンドレア・シェニエ》から〈祖国の敵か〉、プッチーニの処女作《妖精ヴィッリ》から〈私の娘の聖なる魂よ〉と、多彩なアリアを聴かせてくれる。
 新しい年を、力強く羽ばたく若き才能たちの熱演と共に迎えよう。
文:長井進之介
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)

2016.1/11(月・祝)14:00 東京文化会館
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp