渋谷で愉しむ才人と若きオーケストラの共演
この11月21日、渋谷区文化総合センター大和田さくらホールがオープンから5周年を迎える。これを記念して、イスラエル生まれのチェリスト、ガブリエル・リプキンと若い音楽家たちによる大和田祝祭管弦楽団が共演を果たす。
渋谷駅からのアクセスが良好な中規模ホールとして知られる同ホールでは、2014年より『大和田ランチタイムコンサート』として、若手演奏家を育成すべく学生たちに演奏場所を提供し、近隣の住民やビジネスマンらに憩いの場を提供してきた。また、ガブリエル・リプキンは今年3月にリプキン・カルテットとして同ホールで公演を開いたほか、2月には弦楽器経験者を対象としたマスタークラスを行なっている。
今回の公演はこれらの活動が一期一会の共演として結実したもので、『大和田ランチタイムコンサート』のこれまでの出演者やリプキンのマスタークラス受講生をはじめとした若い音楽家たちが、大和田祝祭管弦楽団として一堂に会する。指揮は、ドイツの名指揮者カール・シューリヒトの夫人から直接名をもらったという松本宗利音(しゅーりひと)、コンサートマスターは岸本萌乃加(ほのか)。ともに東京芸大音楽学部に在学し、将来を嘱望されている。
曲はチャイコフスキーの弦楽セレナードと、リプキンがソリストを務めるドヴォルザークのチェロ協奏曲。才人リプキンのもと、若いエネルギーがひとつになって、どんな音楽を生み出すのか。忘れがたい印象をもたらしてくれることだろう。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年11月号から)
11/21(土)18:00 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
問:渋谷区文化総合センター大和田03-3464-3252
http://www.shibu-cul.jp