人間の心理の奥底を巧みに描く
20世紀を代表する振付家、アントニー・チューダー。彼と関係の深かったスターダンサーズ・バレエ団が、創立50周年の記念公演として、チューダーの6作品を揃えた『オール・チューダー・プログラム』を上演する。初期から晩年までの作品を網羅し、特徴であるロマンティックで叙情性豊かな作風をあますところなく堪能できる希少な内容となっている。
結婚を目前に控えた男女の揺れ動く想いを描いた『リラの園』、抑圧された少女の性的な焦りと躓きを表現し、初演時にセンセーションを巻き起こした『火の柱』、半生を振り返る女性の心象風景を綴った晩年の傑作『葉は色あせて』など、人間の心理の奥底を巧みに描き出すチューダーらしい魅力が詰まった珠玉のラインナップだ。国内外で活躍中の豪華7名(吉田都、山本隆之、本島美和、永橋あゆみ、島添亮子、今井智也、浅田良和)をゲストに迎え、林ゆりえ、吉瀬智弘ら同団の精鋭たちが、心に迫る舞台を創り上げる。
文:石村紀子
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)
9/26(土)、9/27(日)各14:00
テアトロ・ジーリオ・ショウワ
問:スターダンサーズ・バレエ団03-3401-2293
http://www.sdballet.com