期待の若手が挑む骨太なプログラム
優秀で将来性あふれる若い演奏家を発掘・支援し、今後のステップとなる演奏の機会を与えようと、横須賀芸術劇場が続けているリサイタル・シリーズ「フレッシュ・アーティスツ from ヨコスカ」。今回は、昨年に全日本学生音楽コンクールと日本音楽コンクール、2つの登竜門を史上初めて連続で制し、大きな話題となったチェロの森田啓佑が登場する。埼玉県出身で、3歳からチェロを始め、現在は桐朋女子高等学校音楽科に特待生として在学中。ステージやラジオ放送など、注目度もうなぎ上りの俊英だ。ステージでは、まず、ピアノの諸田由里子の共演で、ベートーヴェンの第2番とR.シュトラウス、2つのチェロ・ソナタの傑作を大枠に。チェロの偉大な先人であるガスパール・カサドの組曲と、20世紀日本作曲界が誇る名匠・黛敏郎の手になる「BUNRAKU(文楽)」、2つの無伴奏作品を挟み込む。まさに、不世出の名演奏家の登場を予感させる、骨太なプログラム。楽壇の明日を担う音色に、いち早く触れたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)
10/4(日)14:00
ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
問:横須賀芸術劇場046-823-9999
http://www.yokosuka-arts.or.jp