【CD】シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための幻想曲&ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 他/石川静&ルカーシュ・クランスキー

まずブックレットに掲載されたエッセイを読んでほしい。石川静という人が飾らずに、感じたままをストレートに表現する人だということがわかる。そしてそのことは音楽にも実によく表れている。芯のあるまっすぐに伸びていく音。音の変わり目でポルタメントをかけたりしてちょっと色付けするのだが、そこには主張をぶつけた後に「…でしょ?」と相手の顔を覗き込んで同意を求めるようなチャーミングさがある。ブラームスのソナタは第2楽章でそれまでとは全く違う音色で深々と歌っていて、あっと思わされる。懐深く自在に駆ける石川を、ピアノのクランスキーが見事に支え引き立てている。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2026年5月号より)

【information】
CD『シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための幻想曲&ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番 他/石川静&ルカーシュ・クランスキー』

シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための幻想曲/ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第3番、ヴァイオリン・ソナタ「F.A.E.」よりスケルツォ

石川静(ヴァイオリン)
ルカーシュ・クランスキー(ピアノ)

オクタヴィア・レコード
OVCL-00920 ¥3520(税込)