ソナタ全曲で堪能する“鬼才作曲家”のピアニズム
今年は、近代ロシアの鬼才作曲家、アレクサンドル・スクリャービンの没後100年。これを記念して、ベテランから俊英まで、第一線で活躍する10人の日本人ピアニストが一堂に会し、ピアノ・ソナタ全10曲を一気に披露する意欲的なステージが開かれる。
当日はまず、西尾真実による第1番に始まり、志村泉が第2番「幻想ソナタ」、村上弦一郎が第3番を披露。1度目の休憩を挟んで、船橋泉乃の第4番、田中正也の第5番、太田由美子による第6番が続く。2度目の休憩を経て、矢澤一彦が第7番「白ミサ」、中野孝紀が第8番、岡田敦子が第9番「黒ミサ」、そして第10番を松山元が弾いて締め括る。リムスキー=コルサコフと親交を結んでいた青年期の1892年に発表した第1番に始まり、ニーチェの超人思想に心酔し、独自の「神秘和音」を編み出した第4番、そして、現代音楽の先駆者と目されるに至った1913年の第10番まで。鬼才スクリャービンの創作と精神の変遷を、一級の演奏で一度に堪能できる、貴重な機会となるだろう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)
10/4(日)16:30 小金井 宮地楽器ホール(小金井市民交流センター)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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